ヨーロッパでアートに触れるvol2

写真はフランクフルトのレーマー広場に向かうシュトラーセ。路面電車といった公共交通手段が、文化を守り残し後世に伝えられている一つの要因であると思っています。

どうしてもそう見えるのですが、ヨーロッパの街並みはそれだけでアーティスティックな気がします。それは地勢学的というか気候的というか、それともライフスタイルがそうさせるのでしょうか?日本の住宅は、一見デザインが優れているように見えますが数十年で陳腐化しかつ、どこかしこにガタが来て建て替えざるをえません。ところがヨーロッパでは数十年住み続けるのは当たり前、フランスやドイツでは築100年ほどの住宅も普通に人が住んでいるそうです。ドイツではそんな建物をアルトバウといい、新しい建物=ノイバウより家賃が高かったりします。そんな時代の異なった家や集合住宅が立ち並ぶ街並みが、どうしてこのように統一感があるように見えるのか?不思議です。歴史的なシュトラーセでは、外壁の色や屋根に対して何らかの建築条件があるんでしょうか?だからどこをどう見てもアーティスティックにみえるのでしょうね。

ドイツは寒い国なので、外温が室内に伝わりにくいようにと外壁が厚く、それも石?セメント?などでできています。また窓もペアサッシは当たり前、三重ガラスになっていることも多いそうです。今でいうところの外断熱というのでしょうか。それが故に木造建築である日本の住宅(個人宅)より建物が強いということも昔の建物が残っている理由でもあるのでしょうか?

また都市部では個人宅がほとんどなく、共同住宅が多いので見た目がスッキリしているのかもしれません。それにはまた大いに人々のライフスタイルが影響しています。結婚したばかりは小さい部屋でいいでしょう。子供が生まれればもう少し大きな家またはアパートに引っ越します。そして子供達が進学や結婚で独立すると夫婦二人っきりになるのでまた始めような小さな部屋に移るといいます。暮らしにあった建物に移り住むという考え方ですね。しかし日本ではその反対で、建物をその人のライフスタイルに合わせようとします。だから古い建物にそれほど魅力もないと考えられ、さらには建てられた時期によって色やデザインなどがマチマチなので統一感のない街並みが出来上がります。

今はそうではありませんが、少し前まで欧州車の魅力の一つがそのデザインの価値にあったかと思います。それは数年単位でデザインは変わらないという「デザインの価値」の持続です。しかし日本車の場合は購買意欲を刺激するためにあえて数年ごとにフルモデルチャンジとマイナーチェンジを行なっていました。それがいいことなのか良くないことなの?という話ではないのですが、これを計画的陳腐化といい、日本のメーカーが計画的に行ってきた販売戦略です。まあそれが日本の経済発展を支えたものではありますが、日本の使い捨て文化を増長させた方策でもあります。

ちなみにこちらはLIMEというシェア電動キックボード。乗り捨て可能で1分0.2ユーロ。地下鉄や路面電車が文化を支えているといいながらも、少しでも移動時間をセーブしたい旅行者には便利な移動手段でした。

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